飛び出す生命誌カレンダー・その4 コノハチョウ

最終回は「コノハチョウ」。その名の通り、翅を閉じた状態ではまるっきり枯葉にしか見えません。今回この絵を描くのに、標本や写真集をそれこそ穴のあくほど観察しましたが、葉の中央を走る葉脈はもちろん、腐って変色した部分や虫に食われた穴まで、本当によく出来てるもんです。このチョウがよく見られる沖縄じゃ、こんな絵に描いたような落ち葉はそんなになさそうだし、一面の緑の中じゃかえって目立ってしまいそうなもんだけど、その辺が進化のおもしろい所ですね。他の地方で進化したチョウが移って来たという説や、この柄になった頃の沖縄は今と植生が違っていたという説やらいろいろあって、はっきりした事はわかってないそうです。右側の小さい写真が翅を開いた様子。中はけっこう派手です。表の絵柄がまったく使えなかったので絵を描くのもいつもの倍の時間がかかりました。