立板古のおまけ第2段は、今からちょうど10年前、生命誌研究館が10周年を向かえた年に和田誠さんに描いていただいた「新・生命誌絵巻」がモチーフです。オリジナルはモノクロの線画のわりとシンプルな絵なのですが、和田さんに許可をいただいてカラフルに色づけさせてもらいました。
号の「生命誌絵巻」との違いは、生命38億年の歴史にオーバーラップさせて、地球45億年の歴史を描き加えたところ。当たり前の話なんですが、生命はこの地球上で誕生して進化してきたわけで、気温や海深の変化や大陸の分裂、たまーに起きる巨大隕石の衝突などの地質学的な変化に大きく影響されます。その代表的なものが「ビッグファイブ」と呼ばれることもある5回の大量絶滅。例えば今から2億5千万年のペルム紀末におこった大量絶滅の際には、全生物の90%以上の種が絶滅したと言われています。残った種ももちろん無傷のわけはありませんから、個体数で数えるとほとんど全ての生き物が死んだことになるんでしょう。一番最近の大量絶滅は、6500万年前の白亜紀末に起きた小惑星の衝突が原因と考えられています。この時恐竜が滅びたことにより、その穴を埋めるべくほ乳類の多様化と大型化が進みました。100%の大絶滅が一度でも起こったらそこで終わり、当然ヒトも生まれてないわけで、生命というものが38億年前に生まれてから一回も途切れてないってことの凄さが実感できます。
ところで今現在、第6回目の大量絶滅が進行中だと考えている生物学者も大勢いるそうです。原因は、そう、人類ですね。人間の活動による環境破壊がこのまま進めば、今後100年のうちに50%の種が絶滅するだろうという予想もあるそうで(ペルム紀末の絶滅は20万年間かけて進行しましたから、これはかなりのハイペースです)、まぁえらいこっちゃなんですが、もしそうなっても生命自体はまず間違いなく続いていくわけで、それはやっぱり凄いことです。