からくり古生物・その3 サイの仲間 パラケラテリウム
回を重ねるごとにパーツ数が増え組み立ても難しくなってくる「からくり古生物」、最終回は更に調子に乗ってパーツ数24点、組み立て説明図もこれまでになく混み混みでお届けします。今回のモチーフはパラケラテリウム。カバーと表紙で図解付きで説明している通り、体高5メートルにもなるこの巨大な馬型の哺乳類は、馬よりはむしろサイに近い生き物です。馬と同じく奇蹄類のカバ、実は走るのが得意なんだそうで、骨格などの研究から、このパラケラテリウムも自動車並みのスピードで走ることができたと考えれています。象よりもずっと大きな動物が時速40キロで駆ける姿は壮観だったでしょうね。というわけで今回のお題はパラケラテリウムのギャロップです。
走る馬はからくり人形の超定番のモチーフで古今東西いろんなものが作られており、今さら感もあってこれまで作ってきませんでしたが、制作にあたって先人のお知恵を拝借するべくいろいろ調べてみたところ、同じ動きを生み出すにしても多種多様な仕掛けが使われていることがあらためて分かりました。一番多いのが、脚の付け根を回転軸にして、台座と足先を糸や針金のリンクで結んで動かすパターン。回転軸とリンクを増やすことで、どんどん複雑な動きになっていくのですが、紙を細く丸く加工しなければならない「回転軸」と「糸や針金のリンク」は、ペーパークラフトでは一番作りづらいものだったりします。あれこれ試行錯誤しながらたどり着いた仕掛けは・・・、僕のからくりをよく作ってくださっている方にはおなじみのあのパターンでした。コレがこういう風に使えるとは僕も長年気づかなかった。このパターンを使ってもう少しひねりの効いた馬のからくりを、今度つくってみたいと思っています。