卓上ゲノム展・第1回 はじまりの物語り・タテにつながるゲノム
2016年の1月、生命誌研究館の1階展示ホールで、『「生きている」を見つめ、「生きる」を考える ゲノム展』がオープンしました。館の研究の中心概念ともいえる「ゲノム」を通時的・共時的に解説する、フロアの約半分を占める大がかりな新規展示です。詳しくはこちら。できれば高槻まで足を運んでもらって、難しいところはスタッフの方に質問しながら、半日くらいかけてじっくり見ていただきたいところなのですが、なかなかそうもいきません。という訳で今年度の紙のおまけは、この新しい展示をご家庭で体験していただける、手のひらサイズの「卓上・ゲノム展」をお届けします。
2つ折りのカードを開くと、卓上展示が飛び出します。扇形の台紙は組み立て済み。展示の細部はご自分でペタペタ貼りこんでもらう形です。あちこち開くと、詳しい解説が現れます。初回は、私たちの元になった受精卵から東アジア人の祖先、ホモサピエンス、ヒトの祖先を経て、38億年前に海の中で生まれたたった1つの細胞まで遡る、ゲノムのタテのつながりです。
実際にある展示を紙で再現するだけだから楽勝楽勝、今年はちょっと楽できるかもな・・・と思っていたのも束の間、当たり前ですが何メートルもある展示物を15センチ足らずのカードサイズに縮小するだけで済むはずもなく、紙ならではのしかけを加えつつ、展示の内容を再構成するという、長く苦しい道のりとなりました。実はまだまだ手探り状態で、この手法で本当にあと3回続けられるのか一抹の不安もあるのですが、まずはゲノムを理解するための基礎の基礎ともいえる初回の卓上展示を、作ってめくって楽しんでください。